2021年10月に大学図書館長に就任した関川浩です。
現在本学の図書館は、神楽坂、野田、葛飾、長万部の4キャンパスに設置されています。蔵書数は約90万冊、理工系大学としては国内最大規模です。
私の専門は現在、数学とコンピュータサイエンスの境界領域ですが、学生時代は数学でした。当時、数学はまだ紙と鉛筆が主流の時代であり、勉強や研究は、まず図書館に行くことから始まりました。数学は時間が経っても価値が落ちない文献もあり、図書館で100年前、200年前の論文を眺めた記憶もあります。「あの文献を確認したい」というだけで、自宅から1時間以上掛けて、わざわざ図書館へ行ったこともありました。それが今や、図書館に行かなくてもネットワークを通じて多くの文献にアクセスできる時代となっています。やがては、重要であれば古いものも含め、ほとんどの文献にネットワーク経由でアクセスできるようになることでしょう。
紙の文献だけの時代、電子ジャーナルや電子書籍が増えつつある時代、やがて来るであろう、ほとんどの重要な文献にネットワーク経由でアクセスできる時代。このような変化の中で図書館の役割は何なのでしょうか。時代に合わせて変えるべきところ、変えてはいけないところの両方があると思います。それぞれがどこかを見極め、よりよい図書館を実現するよう微力ながら努力してまいりますので、利用者の皆様のより一層のご支援をお願いいたします。
東京理科大学図書館館長: 関川 浩 (理学部一部応用数学科 教授)